*Tour of the DRAGON 大阪公演*


 クワトロの階段はせまい。開場を待つ人は階段に詰め込まれ、整理番号順に並んで待つ。何番〜何番まではここですよーという張り紙がしてあるのだが「こんな狭いところに100人も入りきるのか!?」といった詰まり具合。夏じゃなくて助かったと思いながら、待ち時間にこれだけ詰めて置かれたら、箱に入ってからも人の入り如何に関わらず、距離をつめてしまうよなぁということを考える。  

 実際、箱に入ってからも、混雑は予想通り。名古屋では人と人の間が「2人は入るな」というくらい余裕だったのが(客の入りが少ないわけではない)、1人分空いていようものなら「ちょっとすいませーん」と後ろから人が入ってくる。うーん。

 前回の大阪夏の陣では、今までのつっこのライブでは想像しなかった熱いノリだった。始まった瞬間、後ろからの人の波で一瞬で、友人達と散り散り吹き飛ばされたし、その後も、1時間遅れた後のラッシュ時の電車に揺られているようで、両足がつかないといった状態だった。激しいライブ、未経験だった私には衝撃だったのだ。

 大阪は熱い。気をひきしめていかねば!と気合を入れる。ここでしか体験できない熱さを楽しんで帰らねば。

 始まったのは、名古屋と同じなごみモードのナレーション。松ぼっくりは隙間についてるひらひらしたのが種で、種の重さでタンポポほど軽く飛んではいけないんだよなぁといったことを思い出す。幕があがって、どーんと前に来ようとした人の波が「クレマチス」で肩すかしをくらったのがわかった。♪We can go♪をみんなで歌う。大阪では観客の声が本当によく聞こえる。たくさんの人が恥ずかしがらず、つっこと一緒に歌っている。
 
 次曲「鮫」。クレマチスで肩透かしをくらった観客が、ここぞとばかりに弾けた。汗ばんだところでMC。 「昨日、名古屋から大阪に移動してきまして…Tour of the DRAGONにちなんで、金龍ラーメンを食べました。」と話すつっこ。このあたりから私の目は、ドラムの前の透明なついたてに貼ってあるビニールテープに釘付け…。ハ、ハンサムバンド…???

 青紫、LD、時計台の鐘と続きアコースティックコーナーへ。MCを挟む。
  「移動中に、昔バク転が流行ったよねという話になって…」
 そういえば、小学校でバク転できる人ってヒーローだった。
 「最近JJは、部屋で(?)バク転をしていて腰をいためたそうです」といってJJを指し示すつっこ。
 
 「ああ、バク転やりましたねー。でも、バク転はできないんで、前転とか後転でしたけど…と、あっきーさんに伝えたら『僕らとは次元が違うね!』と言われました。」あっきーさん、クールだ。
 笑いがおこったところでライオン。この曲はアコースティックのアレンジがよく合う。

 ここで、ライブが始まった時から気になっていたあの謎につっこが言及し始めた。
 
「皆さんお気づきになりました?後ろの人は見えないかもしれないんですけど…ここ。」後ろのついたてのハンサムバンド☆の文字を指すつっこ。「今日だけプレイボーイズは改名します。ハンサムバンド☆です。ハンサムバンドの由来は…JJ、今日の髪型は?」ここで後ろを向くJJ。後ろ髪がくるくると両側から中心に向かって巻かれ、寿司の上にのってるゆでた海老の背中みたいになっている。「これ、メイクの大平さんが言うにはカブトガニ…」カブトガニって発想が斬新である。「で、それを見たあっきーが『JJ、ハンサムやなぁ』って言ったので…」、
 
 メンバー紹介も「石原ハンサム慎一郎」「山田ハンサム章典」「武並ハンサムJJ」「ハンサムRie」で行われた。 笑いをとりつつ、今回は長めのMC。名古屋でも話があったPC裏話の「薄い」話をし、人形のPV撮影の裏話に話が移る。「薄い」が流行ったようにPV撮影時には、他にもいろんな言葉が流行ることがあるらしい。人形の撮影時には、つっこが人形のメグの頬に触るシーンをとってる時に、「普通なら『ナイスカット!』というところを、その時だけ何故か…『ナイスタッチ!!!』と声がかかり…「その後、しばらく『ナイスタッチ』が流行りました」

  アコースティックでB.G.胸キュンタイプをやったあと、名古屋MCと同じ「鳩に似てる」話をする。話は続けて、名古屋大阪間の移動中の新幹線の中の出来事へ。「普通、眠るときってこう肘をついて眠るらしいんですけど、私はこう…」まっすく正面を向いて座って目を閉じただけの状態のジェスチャーをするつっこ。「それを見た(隣の)大平さんが『あ、電池切れた』」爆笑の場内。「人間デス。猫でも鳩でも…ロボットでもないですよ。人間です。」とつぶやくつっこ。  非常にかわいらしい

 「昨日は、胸キュンつながりでYMOの君に胸キュンをやったんですけど…今日はアルファベット3文字つながりで…ココナッツボーイ」
 ココナッツボーイ???と頭の中に疑問符がうかんだところで、始まったのはものすごく聞き覚えのある前奏。
C-C-Bの「Romanticが止まらない」だ!C-C-Bはココナッツボーイの略だったようだ。
目の前には、すごくチャラいギターを引くシャラさんがいて、こんな簡単なギター弾いてるシャラさん、初めて見たなぁとこちらとしては笑いが止まらない。(でも、後ろからは「曲がわからへん」と言う声も聞こえて、ショックを受けたり…そいえば前回もWinkがわからないと言っていた子がいた)

 異様な盛り上がりを見せたところで、後半に向けて準備。MCが入る。名古屋と同じ恋という曲に関するMC。 「つっこちゃーん、ソレ何?」とか「Rieさん何持ってんの?」とかいう客との掛け合いもあった。

 「ソレ何?」と聞かれたのは、つっこがこの2日ステージに飾っていた猫の置物。
「先日いただいたもので…いいでしょ?守り神みたいで」と微笑むつっこ。(補足:名古屋では「つっこちゃん、今、恋してんのー?」という答えにくい質問のときに「物に恋をすることが多い」といってこの猫を見せていた。)
 Rieさんが持っていたのは、アヒルのマラカス(???)。アコースティックコーナーの間、リズムをとるように上下に降っていたものだ。質問に答えて、アヒルを上下に振りながらアヒルの鳴きまねをするRieさん(可愛すぎて、やられた男性ファンも多いと思われる)

 後半スタート。後半の始まりは菩提樹。これを聞くと「行くぞー!」という気持ちになるのは、ライブのスタートに定番の曲だからだろう。後半の初曲に相応しい。蝶では、赤い紙ふぶきが舞い、そのまま客を感動で放心させることなく人形を続ける。


 ものすごい揺れを感じる。客席の床が抜けそうだ。自分が揺れようとしなくとも、上下左右から揺すぶられ、前へ前へという力が加わる。この順でやる日曜日は、熱くなった客をさらに燃え上がらせる。可愛い曲で万人受けがよく、リズムも良いせいか、激しい曲に劣らないノリを見せた。

 ここで新曲の恋。満員電車以上の混雑と揺れの中、小さくとも振りを真似する観客。続くスナイパー、トムパンクスですっかり完全燃焼させられてしまった。

 一息ついてMC。龍を生み出すのは難産だったと話すつっこ。これだけのものを生み出すのは確かにものすごく大変だったろうと納得できる。龍を聞きながら、心地よい体を疲れを感じていた。最後はやはり巨大獣。

 濃いライブだった。内容もノリも音も。小さく聞こえてくるJJへのハッピーバースディソングの後、グッズの宣伝をして去るつっこ。アンコールはなしだった。